1914 文字
10 分
Aruba AP-615で自宅に6GHz Wi-Fiを展開した構築記録

経緯#

AP-615はHPE Aruba Networkingが展開するWi-Fi 6E対応のアクセスポイント製品です。

ここ1ヶ月ほど、ヤフオクにおいて大量にAP-615が出品されてます。 大体2万円前後で落札されては補充され、夜な夜なネットワークエンジニアたちが入札しては落札しを繰り返されているわけです。

私もその出品にあやかることができたので、6GHzWi-Fi環境の導入記録を残します。

なぜAP-615なのか#

  1. 独立型のためWLCやクラウドサブスクリプションを気にしなくて良い
  2. 6GHz対応
  3. エンタープライズ製品を試せる

が主な理由です。

昨今Wi-Fi7 APも増え、またクライアントもWi-Fi7対応製品が多くある中ではありますが、 高価なPoE++機器の準備が必要なこと、AP-700シリーズはクラウド管理が必須なモデルに見受けられるため維持コストが気になります。 1の通り、現状600シリーズが独立で利用できるAPとしてちょうどよかったという事情があります。

3については直近1年ぐらいネットワークスペシャリストの勉強をしてたこともあり、知識の定着のためエンタープライズなアクセスポイントを運用してみたかったという思いがあった次第です。

利用機材#

  • AP-615本体
  • 取り付けキット
  • S字フック(100均)
  • PoEインジェクター(PoE+対応モデル)

PoE+インジェクターはBIJ-POE-1P/HGを使いました。AP-615は2.5Gポートを保有しているので、Amazonでセールが起きた際にでも安価な2.5G PoEスイッチを調達するのが良さそうかなとは考えてます。

機器設置#

この手のAPは天井に敷設するものかと思いますが、賃貸のためその手法は難しいです。

今回は出品物に付属していた取り付けキットと100均のS字フックを活用して、部屋の中で高所にあたるスチールラックの棚に設置することにしました。 取り付けキットには複数の穴があるのでこちらにS字フックで引っ掛けました。 キット込本体重量が約800gのようですので、100均の最大垂直荷重1kgのS字フック2つで十分支えられそうです。

取り付けキット AP取り付け後も安定している

なお、機器表面についているシリアルやMACアドレスが記述されたシールですが、後述の通り初期パスワードが製品シリアルになっているので、今後のトラブルシューティングのために取っておいたほうが良さそうです。私は機器から剥がして取り付けキットの裏側に移植しました。

本体裏にも同情報が乗っていますが、こすれて消えたり破れて読めなくなると困りますので…

セットアップ: 初回起動〜6GHzを吹かせるまで#

起動#

DHCPアドレスが降ってくるPoE+対応のポートをLANケーブルと接続します。 SYS LEDが緑点灯になったら起動処理完了です。

初回ログインとパスワード変更#

DHCPサーバのリース情報等を確認し、APに割り振られたIPアドレスにWebブラウザでアクセスします。 httpでアクセスすると管理ポートにリダイレクトされます。

なお、起動後にSetMeUp-から始まるSSIDが吹き始めており、このSSIDにつなぐことでIPアドレスを調査しなくてもセットアップすることも可能です。

Arubaのログイン画面

  • 初期ユーザ: admin
  • 初期パスワード: 製品シリアル

ログインに成功するとパスワード変更が求められるので変更後に再ログインします。

ファームウェアアップデート#

ファームウェアアップデート画面

ファームウェアアップデートはインターネット接続があれば1ボタンで実行できます。

AP-615は8.11.0.xが最小ファームウェアバージョンです。 Arubaのファームウェアには長期サポートのLSR(Long Supported Release)と機能追加のSSRの2つのソフトウェアラインがあります。

更新時に色々調査しましたが、8.11/8.12ともにSSRのようでしたので、最新版が安定版と考え、言われるがまま最新のファームウェアにアップグレードしました。

結果としてですが、アップグレード後の画面で8.13がLSRであったことが確認できました。当面の間は最新版が安定版というのが正しいようです。

バージョン情報

なお、8.13.0.xのリリースノートにLimitations(制限事項)の記述があるため、アップデート前に確認すると良いでしょう。

APの設定#

具体的にAPの設定変更に入っていきます。

まずは仮想コントローラの名前を変えておきます。今回は1台運用ですが、デフォルトの名前はMACアドレスが含まれていたりと気に入らないので。

仮想コントローラ設定

続いてネットワーク設定画面からSSIDを追加していきます。 ネットワーク設定

6GHzを吹くためにこの設定において重要なポイントは2点です。1点目は詳細オプション内のRF band 6GHzを有効にすること。

名前欄がSSIDに該当しており、入力後詳細オプションを選択します。詳細オプション内にある「RF band 6GHz」を有効にします。 SSID RFband

2点目はセキュリティレベルとしてキー管理にWPA3を選択することです。これはWi-Fi6EにおいてWPA3が必須化されたためです。

WPA3

SSIDの追加が完了したら、ついでに初期セットアップ用のSetMeUp-から始まるSSIDを削除しておきます。

SetMeUpを削除

Radioの設定変更#

AP-615は2つのRadioしか持たないため、2.4GHz/5GHz/6GHzのうち2つしか利用できません。そのため2.4GHzは他のAPに任せて本機は5GHzと6GHzに専念してもらいます。

アクセスポイント設定から現在動かしているAPを選択し、編集します。

AP設定

Flexible Dual Bandを5GHz and 6GHzに設定します。チャネルや送信出力は当面はARMに自動でしてもらうことにしました。

RADIO

合わせて設置タイプも変更しておきます。屋内と認識させることで、屋内限定で利用可能なチャネルを選択可能とするためです。

inbaund

設定変更後は再起動が求められるので、再起動します。 再起動後に6GHzのLEDが点灯したらセットアップは完了です。

LED

おわりに#

エンタープライズなAP-615を用いて簡単に6GHz環境を構築しました。この記事を書いている時点でも複数の出品がありますので、興味のある方は手を出してみてはいかがでしょうか。

さて、快適に利用している様子をお届けしたいのですが実は私は6GHz対応製品を保有していません。 しれっと既設の家庭用APと入れ替えてみたところ、家族のスマホやiPadが6GHzでつなぎにきてくれました。半日ほど稼働させてますが快適に動いているようです。

ちょっと中途半端な締めになってしまいましたが、今後運用していきながら出力やチャネルなどの細かな制御、APを追加する機会などがあれば別途記事を作成して行こうと思います。

参考#